東京サンシャインボーイズの甘い罠
「ショウ・マスト・ゴー・オン 幕を下ろすな」の舞台中継を、
初めて真夜中のBSで見た衝撃は忘れられない。
学生だったので、テスト勉強のために夜遅くまで起きていたが、
なんとなく集中せずにテレビをつけて観ていたのだと思う。
物語は上演時間の迫った舞台の舞台裏で始まり、上演後の舞台裏で終わる。
それがどれだけ面白い舞台で、私がどれだけそれに衝撃を受けたのかということは、
番組の途中にも関わらず、思わず録画ボタンを押し、頭の部分のない録画を
ずっと大事に置いていたことからもわかる。
それが東京サンシャインボーイズという劇団であることがわかったのは
全て見終わった後のテロップで、その芝居を書いた作家は三谷幸喜だった。
だから私は三谷幸喜という脚本家を舞台ではなく、「やっぱり猫が好き」や
「振り返れば奴がいる」等のテレビドラマの方で先に知っていたことになる。
主役の西村雅彦は前述の「振り返れば奴がいる」で織田裕二演じる司馬に謀られ、
職を失う医師の役で、小心でこずるい演技で印象的だったが、舞台での立ち姿は
しびれるほどカッコよかった。
伊藤俊人も梶原善も相島一之も甲本雅裕も…その他に知っている役者は
誰一人いなかったのにその舞台はあまりに魅力的だった。
勿論私が無知だっただけの話で、小劇場界ではあまりに有名で人気の劇団だったから
その完成度の高さは当然のことだったのだ。
しかしながらその次の公演「東京サンシャインボーイズの罠」が最終公演となり、
30年間の活動休止となったので、この劇団に関しては完全に乗り遅れた後悔が
今も残っている。
この長い話が前置きなのだけれど、「東京サンシャインボーイズ」が、
15年ぶりに復活するというニュースを聞いた。
3月末に閉館する小劇場シアタートップスの最後の公演のためのものらしい。
それにしてもたった150席ほどの劇場での公演が12日間だけ。
チケットが取れるはずもないが、心踊るニュースであることは間違いない。
とりあえず夢を買うつもりで宝くじのようなチケット獲得に参戦してみることにする。
それにしてもシアタートップスといえばカクスコだってホームグランドだったわけだし、
この際カクスコの復活も…などと夢が膨らんでしまうけれど、
どちらにしたってチケットの獲得はそれこそ夢のような話なのだ。
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