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2008年7月

2008年7月29日 (火)

「まいご3兄弟」みた?

久々の更新でいきなりだけれど、

テレビドラマ、ちりとてちん外伝「まいご3兄弟」のお話。

思い切りネタバレしますので、未見の方は御注意ください

「ちりとてちん」というドラマについては徒然亭の人々で以前書いた。

その外伝ドラマである「まいご3兄弟」が先日放送された。

「ちりとてちん」は主人公である女流落語家を主体に物語を進めながらも、

その周りの登場人物も比較的丁寧に描かれていたドラマだったと思う。

とはいえ、周りにスポットが当たりすぎると全体の流れがぼやけてしまうため、

やはりヒロイン以外の人間については見えない部分ももちろん多い。

今回のドラマは本編の最終回から10年ほど遡るある夜の、ヒロインの兄弟子三人の

物語で、その見えなかった内面が垣間見えるドラマになっている。

描かれているのは四番弟子の四草(加藤虎ノ介)の心の葛藤で、彼は本編中で

「妾の子」で「母親は一生遊んで暮らせるお金をもらって好き勝手に生きている」

「父親の顔は見たことが無い」愛情薄い家庭に育ったという設定を背負っていた。

その家庭環境ゆえに、常に他人と距離を置き、シニカルな目線で世の中を見ている。

女性にはかなりモテるのだけれど、「貢がせる」という意識しかない。

だが物語が進むにつれて、徒然亭という家族とは違う、それでもやはり身内としか

言いようの無い濃いつながりの中で、ずっと漂っていた彼の孤独感が薄れてゆき、

見ている者にも幸福感を与えてくれる終わり方になっていた。

「まいご」では彼が本編中では決して直接口にすることの無かった、

自分という存在の不確かさ、本来あるべき家庭や、受けるべき愛情から

確立していくはずの基盤がないという寄る辺ない思いを、素直に吐露している。

一門の兄妹弟子たちはそれぞれにあるけれど、自分だけは守らなあかんもんも、

笑うて欲しい人も何もなく、どこで何をしていても足元がぐらぐらしている、と。

「僕には帰る場所なんて無い。真っ直ぐ立っていられる場所すらない」

静かに語ってはいるけれど最後の言葉はもう叫びのようだ。

恐らく本人も言葉にしても仕方ないことと充分わかっていた言葉。

何をどう言おうと嘆こうとなす術などなく、ただ受け入れなくてはいけないことはある。

彼もそうして受け入れていたはずのことを、思いがけないきっかけで吐き出してしまう。

恐らくそんな状況に一番戸惑っていたのは彼自身のはず。

それでもその言葉を自分の為だけでなく、目の前にいる違う立場で傷を持つ、

初めて出会った一人の男のために、訥々と誠実に言葉を選びながら話す姿が良かった。

彼は兄妹弟子たちの中でも特に師匠の実の息子である小草若(茂山宗彦)のことを、

「愛情を一身に受け、大切に育てられたくせに、二日違いの才能ある兄弟子への

コンプレックスからか、落語の稽古もろくにせず甘えて、すねたように生きている」と

思っており、小草若に対しての苛立ちを隠さない。

しかしこの夜、小草若は四草に

「お前こそ妾の子でかわいそうな境遇だということに甘えている」と言い返す。

この言葉は腹立ち紛れに言い返した感情的な言葉ではあるけれど、

あながち外れてはいない。

四草が愛情深い両親と温かい環境を持たなかったこと、それは痛ましい事実だし、

彼がそのせいで生きていく上での寄る辺無さを感じ続けているのは当然のことだけれど、

それでも今、彼に守るべきものも笑って欲しい人もなく、いるべき場所もわからないと

いうのは、彼自身の生き方の責任でもあるのだから。

彼は不幸な境遇にただ甘えているのではなくて、愛情を受けた経験が無かったが故に、

心を開く術を持たず、その自分の頑なさを境遇のせいにしていた、か

せざるを得なかったというところだろうか。

この夜、二人の兄弟子から贈られた歌と言葉で、自分が知らず知らずのうちに

いるべき場所に立ち、大切な人たちとの関係を紡いでいるということに気づく。

いるべき場所なんて本来曖昧なものだけれど、そう感じさせてくれるものがある、

ということが、人を幸せにしてくれる。

「ちりとてちん」は本当に優しい物語だ。優しすぎると感じるくらいに。

この物語の中で一番歪な感情形成をなされているだろうと想像される、身薄い、

四草という存在に番外編でスポットが当たり、フォローされたことが、

とても嬉しくて、ホッとした。

これは「まいご3兄弟」というドラマに対する客観的な評価というよりも、

「ちりとてちん」という物語に、登場人物に深く耽溺した人間の

思い入れの強さに他ならないのだけれど。

「まいご」は想像していたよりもシリアスではあったけれど、期待通りに楽しく、

温かさと優しさに満ちた物語に仕上がっていたとおもう。

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2008年7月 1日 (火)

ゆっくりと深呼吸

新しい朝が来た 希望の朝だ
喜びに胸を開け 大空あおげ

ものすごく久々にラジオ体操第一の歌を口ずさんでしまって
自分でもその唐突さに驚いた。
子供の頃から数え切れないほど聴いていて耳に馴染みがある歌だが、
口ずさんだのは、久々というより初めてかもしれない。

何故だろう?と考えつつも思い当たっている。
明日から新しい朝が始まるからだ。

転職をした。
だからこの六月は有給休暇を使って、
久しぶりにのんびりとした毎日を過ごさせてもらっていた。
長いと思った休みがあっという間に終わってしまうのは
学生の頃の夏休みで何度も経験済みだったのに、
それでもあまりに速すぎて驚いている。

休みに入る前はあれもこれもしようと考えていたことが
それほど片付いていないところも夏休みの宿題を思い出してしまう。

夏休みになると、私の家のすぐそばの公園では
子供たちを対象にしたラジオ体操が行われていた。
自治会が行っていたイベントだと思うけれど、私たちはカードに
毎日スタンプを押してもらって、最後の日には景品をもらった。
祖母につれられて通っていたので低学年の頃だけだった気がするが、
どうも夏休みといえばラジオ体操、という刷り込みが
私の中で出来てしまっていたらしい。

そんなこんなで連想ゲームのように、なんだかほの寂しい気持ちで
ラジオ体操の歌を歌っていたみたいで、
しかも明日から新しい職場に赴くくせに、なんとなく気が重くて
グダグダと夜更かししているのが、
子供が夏休み最後の日を惜しんでいるのと全く同じであきれる。

まあ、何をどうしたって新しい朝はやってくるので、
覚悟を決めてもう寝ます。
ゆっくりと深呼吸して行って来ます。

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